気にかけていますか?子どもの足と靴のこと

子どもの足はすぐに大きくなりますよね!
だからといって、大きめの靴を買ったり、足が大きくなっているのに気づかず、小さな靴を履かせたままになったりしていませんか?
子どもの足は、骨が柔らかく変形しやすい状態にあります。足に合っていない靴を履くと、外反母趾や扁平足、浮指などといった足のトラブルへとつながってしまうため、子どもの足元に対しては大人以上に気を配る必要があります。子どもの健やかな成長のためにも、親がしっかりと気にかけて靴を選んであげたいですね。
今回は、子どもの足の特徴や起こりやすいトラブルを解説し、子どもの足にはどんな靴が適切なのかを考えます。きちんと足に合った靴を履けば、かけっこだって今より早くなれるかも…!?

目次

子どもの足の特徴

靴を選ぶ前に、まずは子どもの足の特徴を理解することが大切です。子どもの足には、子どもならではの特徴がいくつかあります。

足がやわらかい

赤ちゃんの足を触ったことはありますか?赤ちゃんの足は骨の配列こそ形成されていますが、骨そのものは軟骨の状態。成長に従って、柔らかい軟骨状態からカルシウムが蓄積され、しっかりとした骨に成長していきます。

足幅が広い

赤ちゃんの足は、足幅が最も幅広い状態にあります。こちらも成長するにつれて、余分な脂肪が取れて足幅が細くなり、また筋肉が少しずつついて、大人の足へと成長していきます。

土踏まずが形成されるのは3歳頃から

文字通り、足の中でも土を踏まない部分で、足が弓なりに湾曲している部分が土踏まずになります。歩いたり走ったりするときに地面から受ける衝撃をやわらげ、クッションのような役目を果たしています。そのため、土踏まずのない足裏がぺったんこの状態にある「扁平足」の人は、このクッション機能がないため、足を痛めやすくなります。
この土踏まずは、生まれてすぐの赤ちゃんの足にはなく、3歳頃から形成され始めます。そのため、特に3歳から6歳頃の間は、土踏まずの形成を邪魔しない、屈曲性の良い靴を履くことが大切になります。

足の成長が早い

子どもの足の成長が早いのは言うまでもありません。しかも年齢によって成長速度は変わるため、だいたい生まれてから4歳頃までは3カ月ごとに、4歳から8歳までは半年ごとに足の計測をするのが理想とされています。
特に子ども自身が「靴がキツイ…」「足が痛い」と言えない間は、親がしっかりと気にかけて、靴が小さくなっていないか、つま先を触ってチェックすることが大切です。

理想の足の状態とは?体を支える足の3つのアーチ

足の健康に関係するのが、体を支える上で重要になる足の3つのアーチ。
人間の足には、土踏まず部分の「内側(ないそく)縦アーチ」、かかとから小指の付け根にかけての「外側(がいそく)縦アーチ」、親指と小指の付け根を結ぶ「横アーチ」という3つのアーチがあります。
これらのアーチがバランスを取りながら、体全体を支えているため、一つでもアーチが崩れると、体のバランスが崩れて正しい姿勢がキープできなくなり、足のトラブルを引き起こすだけでなく、膝や腰など体全体の不調につながっていきます。

子どもの足に多いトラブル

理想の足の状態が分かったところで、子どもの足に多いトラブルについて見ていきましょう。
皆さんは、子どもの足はすぐに大きくなるからと、大きめの靴を履かせていませんか?大きすぎる靴は、脱げないようにと足の指を踏ん張ってしまうため、扁平足になったり、指に余計な力が入るために曲がって、外反母趾になったりするリスクが高くなります。
逆に小さすぎる靴は、靴の中で指が曲がり、骨の成長を妨げてしまいます。「なんかうちの子は最近よく転ぶな…?」と思ったことはありませんか?それは、靴が小さくなっているサインかもしれません。

外反扁平足

立っている状態では土踏まずがはっきり確認できない、また後ろからかかとを見たときに、足が内側に倒れ込んでいる状態にあるのがこの外反扁平足です。靴の内側だけが減る状況が続いた場合は、この症状の疑いがあり、要注意です。足が内側に傾くため、歩行が安定せず、足が疲れやすい、外反母趾など足指が変形しやすい、運動量が増えると膝や股関節が痛むといった症状が出るようになります。

外反母趾

外反母趾とは、足の親指が小指側に変形し、「くの字」になる状態のことです。親指の付け根が外側に飛び出して、激しい痛みにつながってしまう可能性があります。

浮き指

地面に足指が着いていない状態を言います。本来、体は10本の足指も含めて足全体で支えるのですが、足指が地面に着いていなければ、体を支える面積が減少し、踏ん張りがきかなくなって、体のバランスが崩れます。どちらかというと後ろに体重がかかるため、膝を少し曲げ気味に、上体は前傾姿勢にしてバランスをとろうとします。そうすると猫背になり、肩や腰、首に疲れや痛みが出たりもします。
姿勢の悪さは、足に原因がある場合もあるのです。

開張足

親指と小指の付け根を結ぶ横のアーチがつぶれて、甲がべたっと広がった状態、つまり足指が横に広がった状態が開張足です。開張足になると、足裏全体に負担がかかり、足が疲れやすくなるほか、外反母趾になりやすくなったり魚の目やたこができやすくなったりなど、足のトラブルを引き起こしやすくなってしまいます。
最近子どもの筋力低下が指摘されていますが、それもまた開張足になる要因の一つと考えられています。

子どもの靴を選ぶときのポイント

こうした足のトラブルからも分かるように、最近の子どもの足は、横アーチがつぶれがちで足の幅が広く、その割にかかとが小さいという傾向が見られます。この点も踏まえて、子どもの足に合った靴選びを考えていきたいと思います。

ポイント1:つま先部分が広く、指が靴の中で自由に動く

子どもは、足の指で「地面をつかむ」ようにして歩くため、指を自由に動かせる余裕があることが大切です。つま先は、5~10mmほど余裕をもたせるようにしてください。特に幼児期に指を十分動かしていないと、指の腱や筋肉、ふくらはぎの筋肉が正しく発達しないままになり、転びやすい、歩くとすぐ疲れるようになってしまいます。

ポイント2:かかとのまわりがしっかりしている

足が靴の中で動かないよう固定するためにも、子どもこそ、かかと周りが硬めな靴を選びましょう。かかと周辺がしっかり足にフィットしていれば、安定した歩行が可能になります。

ポイント3:前から1/3のところで曲がる

足が曲がる位置で靴も曲がることが重要。そのため靴底は硬すぎないことが大切。人間の足は、足の先から1/3の位置が最も動きが多い部分となるため、靴も同じように1/3のところで曲がるのが理想です。大きすぎる靴を履かせると、この位置がずれてしまうため、注意が必要です。

ポイント4:甲の部分が足にフィット

靴の甲をしっかり締めることで、足が安定し、正しい姿勢で美しく歩けるようになります。

子どもの足に合う靴は?

おすすめはひも靴またはマジックテープタイプの靴

骨が柔らかく変形しやすい子どもの足には、足に合わせて甲の高さが調節できるひもかマジックテープタイプの靴を選ぶようにしましょう。すぐに脱ぎ着できるからと、ひもやマジックテープの付いていないスリッポンのような靴は適切ではありません。
また靴を履くときは、かかとをトントンと地面に打って、かかとを靴に合わせること、そして甲周りを紐またはマジックテープでしっかり締めることを心がけてください。

インソールを活用しよう!

また先にお話しした通り、現代っ子の足は、横アーチがつぶれがちで足の幅が広く、その割にかかとが小さいという傾向が見られます。そのため市販の靴がぴったり足に合わないというケースも多々見られます。そんなときは、インソール(中敷)を活用することをおすすめします。
インソールは、体全体を支える3つのアーチをサポートする機能が備わっています。インソールで足裏をしっかり支えることで足が本来あるべき形状に補正され、靴もフィットしやすくなります。体を支える土台部分が健全な状態になれば、体の重心とバランスは自然と整えられ、姿勢が良くなり、正しい歩き方ができるようになるほか、スポーツにおけるパフォーマンスの向上も期待できます。
足元がきちんと整えられると、そうでないときに比べて、かけっこが早くなる可能性が高くなるのは言うまでもありません!

まとめ

子どもの足は、骨が柔らかく変形しやすい状態にあります。だからこそ、靴は常に子どもの足に合ったものを履く必要があります。すぐに大きくなるからと大きめの靴を履かせたり、小さくなった靴を履かせ続けていると、扁平足や外反母趾、浮指、開張足といった足のトラブルを引き起こしたり、骨の成長を妨げたりしてしまいます。足にトラブルが起これば、自ずと姿勢が崩れ、正しいフォームで歩くことができなくなり、膝や腰など体のほかの部分にも悪影響を及ぼしてしまいます。

子どもこそ、成長に合わせて足にあった靴を選ぶことが大切なのです。
おすすめは、ひも靴またはマジックテープタイプの靴。どちらも甲周りをひもやマジックテープでしっかり締めることで足元が安定します。
またインソールを補助的に活用することも子どもの足にとって良い効果が期待できます。特に現代っ子の足は、足幅が広くかかとが小さいという特徴があり、市販の靴の形状が足に合わないことも。インソールには、足を本来あるべき形状に補正してくれる機能があり、より足が靴にフィットしやすくなります。足元がしっかりサポートされれば、自ずと体の重心とバランスは整えられ、美しい姿勢で正しい歩き方ができるようになります。
足元が正しく整えられれば、スポーツにおけるパフォーマンスの向上も期待できるように。子どもにきちんとした靴を選んであげることは、子どもの健やかな成長や運動機能に少なからず影響することは間違いありません。

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