~インソールはどんな足の悩みに効果的?~
インソールには、多くの足のトラブルの原因であるアーチの崩れを予防・改善する機能が備わっています。では実際に、インソールはどんな足の症状を予防・改善してくれるのでしょうか?
インソールで予防&改善が期待できる足のトラブル
人間の足には3つのアーチがあります。
土踏まず部分の「内側(ないそく)縦アーチ」、かかとから小指の付け根にかけての「外側(がいそく)縦アーチ」、親指と小指の付け根を結ぶ「横アーチ」。これら3つのアーチがバランスを取りながら、体全体を支えています。しかしこれらのアーチが崩れると、足にはさまざまなトラブルが発生します。実際、足の悩みのほとんどは、アーチの崩れが原因となっています。
そんな足のトラブルに効果的なのがインソール。インソールには3つのアーチをしっかりサポートする「アーチサポート機能」が備わっていて、足の疲れや痛み、変形を予防・改善し、美しい姿勢と膝や腰に負担をかけない正しい歩行を促す効果があるのです。
<インソールが効果的な足のトラブル>
疲労軽減 | インソールは、体重を支える足裏のアーチをサポートし、足裏にかかる圧力を分散してくれます。それによって足の関節や足裏の筋肉にかかる負担を軽減することができ、疲労も緩和されます。 |
扁平足 | 扁平足は、足裏に受ける衝撃を緩和するクッションの役割を担う土踏まずがない状態のこと。土踏まず部分の内側縦アーチをしっかりサポートするインソールを使用することで、足裏の衝撃を抑え、足全体にかかる負担を分散することができ、より快適な歩行ができるようになります。 |
外反母趾 | 外反母趾は、足の親指が人差し指にくっつくように「くの字」に曲がる状態のこと。インソールを入れれば、外反母趾の一つの要因であるアーチの低下を防ぐことができます。またクッション性のあるインソールを選べば、衝撃を吸収して歩行時の足の痛みを軽減したり、外反母趾に伴ってできるマメやタコをできにくくしたりすることができます。 |
足底筋膜炎 | 足底筋膜炎は、足のアーチを保っている足底筋膜に炎症が起こる症状で、着地時の衝撃の吸収やバランスの維持に支障をきたすことがあります。インソールを使うことで、足底筋膜への負荷を分散させ、炎症を緩和させることが可能になります。 |
浮き指 | 浮き指は、歩いているときや立っているときに、足の指が地面につかずに浮いている状態。体の重心が後ろに傾いてしまうため、身体全体に必要以上の負荷がかかります。インソールを入れて歩くことで、足の指が靴の中で浮かずバランス良く靴底に接するようになります。指を含めた足全体に力が入り、自然と足の指で踏ん張れるようにもなります。 |
O脚 | O脚は、両足のかかとをくっつけたときに膝と膝の間に隙間ができ、股の形がアルファベットのOのようになる脚。O脚の原因は、運動不足や体重超過による足のアーチの低下。インソールを装着することで、3つの足のアーチがしっかりサポートされ、アーチが低下した足を本来の形状へ矯正する役割を果たします。 |
足のむくみ | 足のむくみのほとんどは、靴が合わないことによる筋肉疲労が原因。インソールは、3つのアーチをしっかりサポートすることで、美しい姿勢と正しい歩行を促します。正しく歩けるようになれば、余計な箇所に負担がかからないため、結果的に疲労が緩和されてむくみにくい足になります。 |
かかとの痛み | 体の全体重が足裏にかかるとき、その中でも負担がかかりやすい部分がかかと。着地時に衝撃を受けやすいのもかかとです。そのため、足裏への衝撃吸収や正しいアーチの形成、足裏にかかる圧力の分散といった機能をもつインソールを使えば、かかとへの負担を減らし、かかとに発生する痛みを予防・軽減することができます。 |
腰痛・膝の痛み・肩こり | 腰痛やひざの痛み、肩こりの症状には、「姿勢の悪さ」が大きく影響しています。足の3つのアーチを正しく形成してくれるインソールを履くことで、体を支える土台となる足が安定し、しっかりと体重を支えることができるようになります。そのため、姿勢が良くなるのはもちろん、歩き方、足裏への体重のかかり方を改善することができ、膝・腰の痛みや肩こりの軽減につながっていきます。 |
インソールの選び方
インソールを選ぶ際は、まず利用する目的を考えることが大切です。
実はインソールと言ってもその種類はさまざまで、その多くは目的や用途を考えてつくられています。例えば、私たちがオーダーメイドでつくる「ピタッとインソール」には、「ピタッとインソールアクティブ しっかり歩ける」と「ピタッとインソールハード しっかり支える」の2種類があります。
前者のアクティブタイプは、しっかり身体を動かす方やスポーツをする方におすすめのインソール。押したときに跳ね返ってくるような弾力性のある素材を使用し、前足部分は柔らかく、後足部分は硬めにして、かかとの衝撃をより吸収できるようになっています。
後者のハードタイプは、足の変形を矯正することを目的につくられたインソール。全体的に硬めに作られており、足をしっかりサポートできるようになっています。このインソールを入れれば、靴の中で足が動くことがありません。扁平足、外反母趾、開帳足などが原因で、足の疲れや痛みが気になる方、また足が変形し姿勢が崩れてしまっている方におすすめです。3つのアーチで足をしっかりサポートすることで、正しい姿勢や歩き方を促すため、姿勢が崩れることによって起きやすい膝や腰の痛み、肩こりの改善にも役立ってくれます。
このように、インソールは、目的や足の悩みに応じて、素材や硬さなどが異なってきます。インソールを選ぶ際は、自分がどんな目的で使うのかを明確にし、必要としている機能を備えたものを選ぶようにしてください。
また、購入する際には、靴の種類やサイズを間違えないようにしましょう。スニーカーやパンプス、ヒール、革靴ではインソールの形状が異なります。インソールのサイズも靴のメーカーによって微妙に異なることがあるので、しっかりと確認することが大切です。
ただ、基本的にインソールを入れるときは、靴のサイズを上げる必要はありません。どうしても「インソールを入れる=靴のサイズをワンサイズ上げる」と思われがちですが、インソールは通常履いている靴にもともと入っている中敷きを入れ替えるだけでOKです。インソールのためにわざわざ靴を新しく購入する必要はありません。
まとめ
インソールとは靴の中にいれる中敷きのことです。より正確にいうと靴の中底と、その上に敷かれている中敷きの部分がインソールと呼ばれる部分です。
インソールの役割は、体全体を支える3つのアーチをサポートすること。3つのアーチが正しく補正されることで、「体の重心とバランスを整える」「足の変形を防ぐ」「痛みを緩和する」「足の疲労を軽減する」「姿勢を良くする」といった効果が期待できるようになります。
また、それぞれのインソールは目的や用途を考えつくられています。インソールを選ぶ際は目的をしっかり考えて、用途に合った機能を備えているインソールを選びましょう。
また足の疲れや痛み、変形が気になる場合は、自分の足をきちんと計測し、オリジナルのインソールをオーダーメイドでつくることをおすすめします。個々の足の形状やお悩みに合わせたものを使用することで、インソールの効果をより感じていただけると思います。