重力の影響で、どうしても腰には上半身の重みがかかってきます。痛みの程度や症状は違っても、腰痛に悩まされている人は多いのではないでしょうか?
腰の痛みやだるさが深刻な場合は、コルセットを使って腰付近が動かないように固定すると、うっかり腰を動かすことで痛みが誘発されるのを防ぐことができます。またコルセットは、腹圧をかけることで、体を上に引き上げた状態をサポートして、腰にかかる負担を減らすことも可能に。その結果、痛みそのものを和らげ、身体面のみならず精神的にも安心感が得られるようになります。
腰痛を緩和する上で、とても役立つコルセット。しかし、実際に使うとなると、どんなタイプのものを選べばいいのか、どんなことに気を付けて購入すればよいのか分かりにくいのではないでしょうか。
そこで今回は、コルセットの役割や注意点をおさらいしながら、それぞれの体に合ったコルセット選びについて解説していきます。
コルセットとは?
一言でいうと、コルセットは、胸椎から骨盤にかけての体幹部を保持する装具。装着することで、腰付近の可動域が制限されるため、うっかり腰付近を動かして、激しい痛みを誘発してしまうといったことが起こりにくくなります。またコルセットには、痛みそのものを軽減してくれる効果も。詳しく見ていきましょう。
どんな役割があるの?どんな効果が得られるの?
コルセットを装着することで期待できる効果は主に3つあります。
可動域を制限して固定する
腰痛は、痛みを感じている部分を動かすと、より激しい痛みを引き起こしてしまうことがあります。コルセットを着けていないと、痛みを感じているにもかかわらず、ついうっかり前かがみになったり、腰をひねったりして、強い痛みを誘発してしまうことも。コルセットでしっかり固定すれば、前屈、側屈、回旋といった動きを抑制し、痛みが起こるのを防いでくれます。
疼痛(とうつう)の緩和
医学用語では、痛みのことを「疼痛」と言います。実際に感じる体の痛みに加え、痛みを感じるときのつらい気持ちや不快感といった感情も含まれます。
コルセットは、装着することで、腰の痛みそのものを緩和させる役割があります。そもそも、立っているときや座っているときに、腹筋が緩んだ状態(お腹が出ている状態)にあると、腰には大きな負担がかかります。しかしコルセットを装着すると、腹圧がかかり、背筋がピーンと伸びた状態、すなわち体が上に引き上げられた状態をサポートしてくれるので、腰への負担が減り、痛み自体を緩和させることが可能になります。また、痛みがあるところに軽い圧迫を加えることで痛みが抑えられるという効果もあります。
安心感
コルセットで腰痛のつらさから多少なりとも解放されると、身体面だけでなく、精神的にも腰痛への不安が少なくなり、安心感を得ることができます。腰がコルセットで守られていることにより、日常生活を快適に過ごしやすくなります。
コルセットを使用する際の注意点
コルセットの使用は、腰痛を緩和させる上でとても有効ですが、腰痛を根本から治すものではないということは覚えておかなければいけません。
コルセットに頼りすぎない
腰の痛みが深刻な場合、コルセットは寝ているとき以外、ずっと装着するのが基本です。
しかし、痛みが和らいだら、コルセットを装着する時間は短くしていく必要があります。
そもそも人間の体には、天然のコルセットとも言われる筋肉があります。痛みが和らぎ、安心感があるからといって、いつまでもコルセットに頼ってしまうと、こうした筋力が使われず、低下してしまう可能性があります。そのため、腰痛がある程度改善されたら、コルセットを外し、ストレッチや軽めのトレーニングで筋力アップを図ることが大切になります。
正しく装着する
重力の影響で、腰にはどうしても上半身の重みがかかります。だからこそ、お腹を引っ込め、背骨を引き上げることで、腰に負担がかからないようにすることが重要に。コルセットは、腹圧をかけ、体が上に引き上げられた状態をサポートして、腰への負担を軽減してくれます。だから装着の際は、必ずお腹を引っ込めて体を引き上げた状態で着けるのが理想。自然とお腹がへこむことから、仰向けに寝転がった状態で着けるのがベストな装着方法になります。
自分に合ったコルセットの選び方
コルセットは大きく分けて2つのタイプがあります。
一つ目は、硬いタイプ「硬性コルセット」。もう一つは、柔らかいタイプの「軟性コルセット」で、ダーメンコルセットとも呼ばれています。これらのコルセットは、腰痛の症状や普段の行動に合わせて、使い分けるのがベストです。
腰痛の症状に合わせて選ぶ
骨折・手術の後や痛みが深刻な場合
腰椎の骨折や手術の後など、胸腰椎の動きをしっかりと固定することが必要な場合は、硬性コルセットを使用します。前屈、側屈、回旋などの動きを抑制し、痛みの誘発を防ぎます。また腰椎椎間板ヘルニアなどの疾患がある方、また腰に強い痛みがあったり、少しの動作でも腰に痛みが走ったりする場合は、固定力の強いコルセットを選ぶとよいでしょう。
比較的症状が軽い場合
時々腰に痛みを感じるなど腰の状態が不安定な場合は、軟性コルセットを使用するのがおすすめです。柔らかいというのは、伸縮性があることを意味します。症状が軽度な場合は、硬いコルセットでしっかり固定するのではなく、ある程度伸縮性のあるタイプのものを使い、腰回りの筋力をできるだけ衰えさせないようにすることが重要になります。
軟性コルセットは、基本的に慢性的な腰痛や強い痛みを伴う腰痛を予防する目的で使用します。
普段の行動に合わせて選ぶ
重いものを持ち上げたり、農作業のように中腰で長時間作業をしたりするなど、腰を痛めるリスクが高い場合は、補正の強い、硬さのあるコルセットが適しています。コルセットを選ぶ際は、日々の生活において、自身がどれだけ腰に負担をかける動作をするのかに注目することも大切です。
コルセット選びで重要なのは「サイズ」
コルセットをつけているのに腰が痛かったり、だるかったり…。それはずばりコルセットが体に合っていない証拠です。腰の動きを制限したり、腹部に圧を加えて、脊椎が伸展位に保持された状態をサポートしたりするコルセットは、自分のウエストにぴったり合うものでなければ、装着しても腰痛を軽減する効果は発揮されません。
コルセットはまず腰の状態に合わせて選ぶことが大事
あなたの腰の状態は?
コルセットは、大きく分けて「硬性コルセット」と「軟性コルセット」があることをお話ししました。しかしコルセットは、医療用のものから一般向けに販売されているものまで、種類はさまざま。一体何を基準にどんなコルセットを選べばいいの…?と迷われる方も多くおられると思いますが、コルセットを選ぶときは、まず自分自身の腰の状態、つまりどれだけ痛みやだるさを感じているかに合わせて選ぶことが大切になります。
<だるさや痛みは少ないがなんとなく腰に違和感がある場合>
はっきりとした痛みやだるさを感じるほどではないが、なんとなく腰がしんどい、腰に違和感があるといった比較的症状が軽い場合は、薬局で販売されているコルセットを購入されると良いでしょう。症状が軽い場合は、しっかり固定するタイプではなく、伸縮性がある柔らかめのスタンダードタイプを使用するのがベストです。
<慢性的に腰に痛み・だるさがある場合>
慢性的な腰痛、腰のだるさにお悩みの場合は、しっかり腰を固定できるタイプのものを選んでください。スポーツ店では、軽量かつ腰をしっかり固定し、スポーツなどの激しい動きにも対応するコルセットが販売されています。できるだけ固定力の高いものを選ぶようにしましょう。
<痛みがかなり激しい、市販のコルセットで効果が得られない場合>
腰の痛みがかなり激しく、日常生活に支障が出る場合、または市販のコルセットで思うような効果が得られない場合は、一度専門医にご相談することをおすすめします。
しかし、「忙しくてどうしても病院へ行くことができない」「腰が痛く、できるだけ外出は控えたい」という方もおられるかと思います。そんなときは、病院で使用するコルセットと同等の機能を持つピタッとコルセットをお試しください。個々の体のサイズをきちんと計測し、体にぴったりとフィットするオーダーメイドの「ピタッとコルセット」は、義肢装具士が臨床現場で培ったノウハウを生かしてつくったコルセットになります。
次に「ピタッとコルセット」について詳しく説明していきましょう。
オーダーメイドでつくる「ピタッとコルセット(ハードタイプ)」
実は、コルセットこそ、オーダーメイドで自分の腰にきちんと合ったものをつくることがとても大切。私たちがオーダーメイドでつくる「ピタッとコルセット(ハードタイプ)」は、義肢装具士が考えた、体にフィットするコルセットです。
でもわざわざどこかに出向いて採寸するのは手間に感じてしまう。腰が痛いのに気軽に出かけられない。そんな方も多いかと思います。でも大丈夫!ネットで注文できる「ピタッとコルセット」は、注文後に、計測キットをご自宅へお届けし、骨盤・ウエストなどの採寸ポイントをご自身で計測いただきます。そのデータを基にあなたの腰に心地よくフィットするコルセットを、義肢装具士が臨床現場で培ったノウハウを生かしておつくりいたします。
このピタッとコルセットは、オーダーメイドで一人ひとりの体に合わせてつくるため、インナーのように体にピタッとフィットする着け心地を体感することができます。また伸縮性と通気性に優れたメッシュ素材を使用しているため、心地よいフィット感が得られやすくなります。コルセットがきちんと腰にフィットすると、脊椎が伸展位に保持されて背筋がピーンと伸び、腰にかかる負担が減って、痛みやだるさを軽減してくれます。
市販のコルセットが体に合わず、腰の痛みやだるさが改善されないという方、腰にかなりの痛みがある方で、すぐに病院へ行けない方は、一度オーダーメイドで自分に合ったコルセットをつくってみてはいかがでしょうか。
私たちがつくる「ピタッとコルセット」は、次のようなお悩みや症状をお持ちの方におすすめです。
- 自分にピッタリのコルセットが欲しい
- 市販のコルセットが体に合わなくて腰が痛い
- 椎間板ヘルニアや慢性的な腰痛に悩んでいる
- 腰に大きな負担がかかる作業をすることが多い
- 産後の腰の安定に
「ピタッとコルセット」にご興味にある方は、ぜひ商品ページもあわせてご参照ください。
まとめ
装着することで腰付近の可動域を制限し、痛みの誘発を防ぐコルセット。腹圧をかけ、体が上に引き上げられた状態をサポートし、腰への負担を減らして痛みを緩和してくれる効果もあります。
ただコルセットといっても、硬いタイプの「硬性コルセット」や柔らかいタイプの「軟性コルセット」があり、自分にはどのコルセットがあっているのか分かりづらいと感じる方もおられるのではないでしょうか?最後に、コルセット選びのポイントをまとめておきます。
コルセットは大きく分けて硬いタイプと柔らかいタイプがある
基本的に骨折や手術後、または腰の痛みが激しいときは、硬いタイプのものでしっかり固定することが必要になります。時々痛みを感じるといった程度の比較的症状が軽い場合は、柔らかいタイプ(伸縮性のあるタイプ)を利用すると良いでしょう。柔らかいタイプのコルセットは、基本的に慢性的な腰痛や強い痛みを伴う腰痛を予防する目的で使用します。
日常的に腰に負担がかかる動作をする場合は硬めのタイプを選ぶ
重いものを持ち上げたり、中腰で長時間作業をしたりなど、腰にかなりの負担がかかる動作を日常的に行う場合は、硬めのコルセットを装着して作業をすると、強い痛みを引き起こすリスクを軽減することができます。
コルセット選びで重要なのは、自分の体に合った「サイズ」
コルセット選びで大切なのはサイズです。コルセットが自分の腰にきちんとフィットしていなければ、腰の痛みを和らげるどころか、逆に腰を痛める要因になってしまいます。コルセットこそ、自分の体のサイズに合ったものを選ぶようにしましょう。
コルセットはまず自分の腰の状態にあわせて選ぶことが大事
コルセットは、ご自身が普段からどれだけ腰に痛みやだるさを感じているかによって、選ぶものが異なってきます。あまり痛みやだるさを感じないが、腰に違和感があるという場合は柔らかめのものを、慢性的に痛みやだるさを感じている場合は腰をしっかり固定できるハードタイプのものを選ぶようにしましょう。
また、強い痛みに悩まされている、市販のコルセットでは効果が得られないという場合は、まず専門医にご相談することをおすすめいたします。どうしても忙しくて病院へ行けないという方は、病院で使用するコルセットと同等の機能を持つピタッとコルセットをご活用ください。
オーダーメイドでつくるなら「ピタッとコルセット(ハードタイプ)」
私たちがつくる「ピタッとコルセット(ハードタイプ)」は、オーダーメイドで一人ひとりの体に合わせてつくるため、インナーのように体にピタッとフィットする着け心地を体感することができ、腰の痛みやだるさを和らげる効果をより体感することができます。市販のコルセットが体に合わず腰に痛みを感じている場合や強い痛みにお悩みの場合は、オーダーメイドで自分に合ったコルセットをつくることをおすすめします。
コルセットを利用する際の注意点は、頼りすぎないこと!
コルセットの装着については、一つ覚えておかなければいけないことがあります。それはコルセットが腰痛を根本から改善するものではないということ。というのも、人間の体には天然のコルセットといわれる筋肉があり、コルセットに頼りすぎてしまうと、この筋肉を衰えさせてしまうことになります。そのため、コルセットで腰の痛みが和らいできたら、装着する頻度を減らし、ストレッチやトレーニングで筋力アップを図ることも忘れないようにしてください。
腰痛を改善するストレッチ&トレーニングについては、ぜひ「なぜ腰痛は起こるの?原因と対策を考えよう(後編)~腰痛を予防&軽減するには? 手軽にできる腰痛体操をご紹介~」のコラムを参照してください。コルセットを上手に活用しながら、適度なストレッチやトレーニングで、つらい腰痛を改善していきましょう!