インソールって何?インソールの役割を知ろう!(前編)

~インソールを入れるとどんな良いことがあるの?~

インソールがどんなものかなんとなく分かってはいても、備わっている機能や期待できる効果について詳しく知っているという人は少ないのではないでしょうか?
靴は、自分の足にフィットするものを選ぶことで、より快適に歩けるようになります。もちろんしっかり足を計測し、ポイントを押さえて靴を選べば、自分の足に合った靴を見つけやすくはなりますが、インソールを使えば、さらにしっかりと靴が足にフィットして、足の疲れや痛み、変形を改善し、美しい姿勢や正しい歩行、筋肉の動かし方を促してくれるようになります。
今回は、インソールの機能や効果、選び方を解説しながら、インソールの魅力をご紹介していきます。

目次

インソールって何?

インソールとは靴の中にいれる中敷きのこと。正確にいうと靴の中底とその上に敷かれた取り外しができる部分がインソールです。日本では、着脱ができるタイプの中敷きを指してインソールと呼んでいますが、海外では着脱の有無にかかわらず、中底とその上に敷かれた中敷き部分をインソールと呼んでいます。
このインソールは、もちろん市販のスニーカーなどにもともと入っていますが、そのほとんどはクッション性を重視したもので、足の機能をサポートするものではありません。
しかしインソールは本来、足の疲れや痛み、変形を予防・改善したり、美しい姿勢や正しい歩行を促したり、骨格バランスを整えて悪い体の動きを補正したり、またスポーツにおいてはそのパフォーマンスを向上させたりといった効果も期待できると考えられています。
まずはインソールの機能からお話していきましょう。

体を支える足の3つのアーチ

インソールの機能を理解する上で、知っておかなければいけないのは足の「アーチ」のこと。ここでは体全体を支える足のアーチについて詳しくお伝えします。
人間の足には3つのアーチがあるのをご存知でしょうか?

土踏まず部分の「内側(ないそく)縦アーチ」、かかとから小指の付け根にかけての「外側(がいそく)縦アーチ」、親指と小指の付け根を結ぶ「横アーチ」。これら3つのアーチがバランスを取りながら、体全体を支えています。

これらのアーチには、次の一歩を踏み出す「バネの作用」、着地時の衝撃を緩和する「クッションの作用」、身体を安定させる「バランスの作用」があり、これらが正常に機能することで快適な歩行が可能になります。ただしアーチが崩れてしまうと、さまざまな足のトラブルが引き起こされることに。実際、足の悩みの多くは、これらのアーチの崩れが原因となっています。

例えば、内側縦アーチが低下すると、土踏まずがつぶれる「扁平足」に。土踏まず部分のアーチは、足の衝撃を吸収するクッションの役割を果たしているため、扁平足になると足が疲れやすくなり、長時間立っていられなかったり歩けなかったり、足の裏やふくらはぎなどに痛みを感じたりと、さまざまな弊害が出てきます。
反対側の外側縦アーチが低下すると、3つのアーチのバランスが崩れることで、足部のバランスが悪くなります。特に左右のバランスが悪くなって、かかとが外側に倒れやすくなり、足が疲れやすくなります。
また横アーチの低下は、足の横幅が広がる「開張足(かいちょうそく)」につながります。横幅が広がると、足指のつけ根あたりに力がかかるため、力の入る部分にタコやウオノメができやすくなります。また開張足が進むと、腱(けん)が足指を引っ張る方向が変わるため、親指が曲がって変形する「外反母趾」に発展することもあります。しかもこれら3つのアーチが崩れてしまうと、上手く体を支えられなくなり、足のみならず、膝、腰、肩など上半身にまで悪影響が出てしまうので要注意です。

インソールは、こうした足の悩みの多くの原因となっている「アーチの崩れ」を改善するためにつくられています。機能性を重視したインソールには、足の3つのアーチをしっかりサポートする「アーチサポート機能」が備わっていて、足の疲れや痛み、変形を予防・改善し、美しい姿勢と膝や腰に負担をかけない正しい歩行を促して、体全体の機能を正常化させる役割を担っているのです。

インソールの効果

3つのアーチをサポートするインソールには、次のような5つの効果を期待することができます。

  • 重心とバランスを整える
  • 足の変形を防ぐ
  • 痛みを緩和する
  • 足の疲労を軽減する
  • 美しい姿勢と正しい歩行を促す

自分の足に合ったインソールを入れると、3つのアーチがしっかり支えられることで、扁平足や開帳足、外反母趾に見られるような足の歪みや変形が補正されます。特に合わない靴を履き続けていると、足が内側や外側に倒れ、それが足のトラブルの発生につながっていきますが、自分の足に合ったインソールを入れると、インソールが正常な状態に足の形状を整えてくれるため、足の歪みや変形を予防したり、改善したりすることができます。インソールは、基本的に足の骨の形状に合わせてつくられるため、足裏から骨をしっかりと支えられる仕組みになっているのです。足の形状が補正され、3つのアーチがきちんと機能するようになると、扁平足や開帳足、外反母趾に見られるような足の変形やO脚などの体の歪みを改善することも可能になります。
もちろん、体の歪みが改善されれば、重心とバランスも自ずと整えられます。それに合わせて自然と姿勢も美しくなり、正しい歩き方ができるように。膝や腰の痛み、肩こりは、姿勢が悪いことが主な原因と考えられているため、姿勢が良くなれば、膝、腰、肩の悩みも軽減されることでしょう。

痛みの緩和や足の疲労の軽減もインソールの効果の一つです。インソールは、足裏全体にかかる圧力をまんべんなく分散させてくれるため、特定の箇所にだけ負担がかかることがなく、足の痛みや疲労を緩和させることができます、足の特定の部分にのみ負担がかかることでできる、マメやタコ、ウオノメなども、インソールを入れることで改善が見込めるようになります。
またインソールには足の衝撃を吸収する機能があります。特にランニングは、両足が地面から離れて片足で着地するため、足裏に非常に大きな衝撃を受けると言われています。足裏で受けた衝撃は腰や膝にも影響し、疲労もたまりやすくなりがちですが、インソールを入れることでそうした疲労を緩和し、スポーツなどのパフォーマンスを向上させる効果も期待できるようになります。

次回はインソールで改善できる足のトラブルを詳しく紹介していきます。

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